noteの“特商法騒動”と“投げ銭”システムの面白さ
ネット販売とSNSを融合させたnoto(ノート)
2014年4月7日にサービスを開始した「note(ノート)」をご存知でしょうか?noteとは、クリエイターとユーザーを繋ぐ新しいメディアプラットフォーム。クリエイターとして、文章、写真、イラスト、音楽、映像などを投稿し、それらのコンテンツを販売することも可能なのが一番の特徴です。また、SNSとしての機能も(まだまだ不十分ながら)備え、クリエイター同士、またはファンとの交流も図れるのが第二の特徴となっています。
簡単に言うと「ネットでの個人販売プラットフォームとSNSを融合させたサービス」という位置付けで、サイトには使い方として以下のような説明が記載されています。
noteは、文章、写真、イラスト、音楽、映像などの作品を投稿して、クリエイターとユーザをつなぐことができる、まったく新しいタイプのウェブサービスです。
つくった作品(ノート)は、通常のブログやSNSなどと同様に無料で公開することもできますし、手軽に売り買いすることも可能です。
・新作を発表して読者やファンと交流する。
・とびっきりの自信作のノートを売る。
・あこがれのクリエイターのノートを買う。
クリエイターとファンの、まったくあたらしい交流のかたちをお楽しみいただければ幸いです。
「特商法の表示義務」が問題視されるように
このnote、とにかくユーザー登録をすれば誰でもすぐにデジタルコンテンツを販売できるという手軽さがうけて、一部の方たちの間でかなりの盛り上がりをみせていたわけですが、スタートしてしばらく経つと、クリエイターとして利用するにあたり「特商法の表示義務」が問題視されるようになりました。どういうことかというと、インターネット上で商品を販売するには、氏名、住所、電話番号を表示する義務があり、購入者からそれらの情報の開示請求があった場合は、必ずその請求に応じなければいけないという話が飛び交うようになったのです。日増しに盛り上がりをみせていたnoteですが、この問題が浮上すると一気にテンションがダウン。コンテンツの販売を見合わせるクリエイターが続出する事態となりました。
実はnoteはあくまでも「プラットフォーム」としての立場をとっていて、note上でのコンテンツの売買は、全てクリエイターとユーザーとの直接の取引関係となっているのです。つまり、特商法に基づく開示請求の件が本当だとすると、「note」で販売するには氏名、住所、電話番号を明らかにするリスクが発生してしまいます。これではクリエイターが及び腰になるのも当たり前。個人を特定したいという悪意を持った開示請求にも答えなくてはならないのです。この点についてnote側からの具体的なコメントはなく、自分自身これが原因で有料販売は一次取りやめていました。
よほどの売上がなければ問題なし
そんな中、4月18日になって、noteの「よくある質問」頁に以下の文章が追記されました。6. 特商法の表示について
6-1. 特商法表示に基いて、自分の住所や電話番号などを掲載しなければなりませんか?
特定商取引法(特商法)に基づく「販売業者」に該当する場合以外は、掲載する必要はありません。 この「販売業者または役務提供事業者」の定義については、販売または役務の提供を業として営む者を意味します。「業として営む」とは、営利の意思をもって、反復継続して取引を行うことをいいます。販売者が「販売業者」に該当するかどうかは、経済産業省が策定する「インターネットオークションに係る『販売事者』に係るガイドライン」の基準が参考になると考えます。なお、この基準においては、以下の場合には、原則として販売業者に該当すると考えられるとしています。
①過去1ヶ月に 200 点以上又は一時点において100 点以上の商品を新規出品している場合
②落札額の合計が過去1ヶ月に 100 万円以上である場合
③落札額の合計が過去1年間に 1,000 万円以上である場合
(「インターネットオークションに係る『販売事者』に係るガイドライン」より引用)
6-2. 特商法表示が義務付けられていない場合、連絡先の開示請求をされても、連絡先を教えなくて大丈夫でしょうか?
はい、開示の義務はありません。
これを読んで、ほっと胸を撫で下ろした人は多かったことでしょう。コンテンツをじゃんじゃん投稿してじゃんじゃん売れちゃうような人気クリエイターは別ですが、試しにちょっと売ってみたいという大多数のクリエイターにとっては、販売することでの個人情報漏えいリスクが大幅に減少したのです。
例えばブログを運営している人にとって文章そのものを売るということは、従来はなかなか難しいものがありました。もちろん電子書籍化するという手もあるんだけれど、それもなかなかハードルは高かったと思うのです。でも、noteなら、それこそ記事単位で100円から売ることができます。ユーザーに電子書籍を見る環境がなくても大丈夫です。出来れば10円単位でもいい気はしますが、とにかく、noteに登録して記事をアップしさえすれば売ることができるのです。
「投げ銭システム」が面白い
とはいえ、素人の文章を読みもせずに買ってもらうことは現実的ではありません。そこで現在note内で流行しているのが、全文を掲載し、気に入ったら応援の意味で購入してね、という「投げ銭」方式。コンテンツを買うのではなく、大道芸人に「面白かったよ。頑張ってね。」といって渡す投げ銭と同じ手法です。まぁ、冷静に考えると、タダで全文が読めるのに、わざわざ投げ銭をしてくれる人なんて限りなくゼロに等しいでしょう。等しいというか、はっきり言えばゼロでしょう。それでも、文章や写真や絵を簡単に売ることができるのは、非常に魅力的です。「売ることができる」と「売れる」を混同してしまうと落胆するだろうし、アフェリエイトとどちらが儲かるのかというと微妙な話ではあるけれど、とにかく手段が増えるのはありがたい話です。
というわけで、このブログもnoteで投げ銭方式による一部のコンテンツの転載販売を始めてみました。さてさて、どんな結果になるか、期待はせずに楽しみたいと思います。
noteのページはこちらです→ https://note.mu/koji_t ※閉鎖しましたw
(おしまい)
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