パソコンの画面をChromecastでテレビにキャスト!

前回までの記事で、iPhone 5sを使ったGoogle Chromecast(クロームキャスト)でのYouTube再生と、カメラロールの写真・動画表示に成功したので、次はパソコンからテレビへのキャスト(動画の配信)に挑戦してみましょう!


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パソコンの画面を何でも映せるわけではない 

まず最初に理解しておかないといけないのは、Chromecastを使ってテレビに映し出せるのは、Windows 7以上、又はMac OS X 10.7以上のパソコンにインストールしたChromeブラウザの画面だけ」だということ(あえて省きましたが、もちろんChrome OSもOKです。パソコンの画面を何でもテレビで見られるわけではないので注意しましょう。また、Chromeブラウザはタブ機能によって複数の画面を開けますが、テレビに映し出せるのは任意で選んだ一つのタブの画面だけになります。なお、接続にはWi-Fi環境が必須となります。




パソコンのセッティング手順 

ChromecastのセッティングはiPhoneから既に済んでいるので、今回はChromeブラウザにChromecastを使うための拡張機能をインストールすることからのスタートになります。パソコンにChromeが入っていない場合は、最初にこちらのリンクからインストールをしましょう。

Chromeの準備が出来たら、下のリンクを開き、Chromeブラウザに「Google Cast拡張機能」をインストールします。




インストールが完了すると、Chromeの画面右上にキャストアイコンが表示されるようになります。これでChromeの画面をChromecastへ配信(タブキャスト)出来るようになりました。




テレビに映したいタブを開いた状態で、キャストアイコンをクリックし、キャスト先としてテレビに挿したChromecastを選びます。




接続に成功すると、表示が再生中に変わります。接続を切る場合は「キャストを停止」をクリックしてください。また、停止ボタンの左にある歯車型の設定アイコンをクリックすると・・・




Chromecastに配信する動画の解像度を選択できます。できますが、見てわかる通り720p(1280×720が最高となります。



タブキャストの最高解像度は720P(1280×720) 

我が家のパソコンのディスプレイは1920×1080ドットなのですが、タブキャストの際には、Chromeブラウザの拡張機能が画面を720pの解像度にリアルタイムで圧縮。圧縮された画面が動画としてWi-Fi経由でChromecastに配信され、テレビに映ることになります。




テレビに映されたウェブサイトの文字を見ると、1920×1080から1280×720へと縮小されたために文字が潰れてしまい、きちんと読むのは無理な状態です。




そこで、パソコンのディスプレイ解像度をChromecastの720pに合わせて、1280×720ドットに変更してみました。パソコン側では文字が大きすぎて若干気持ち悪いものの・・・




テレビに映し出された文字は先程とは違ってくっきりすっきり。これなら無理なく読めそうです。720pに圧縮されることを考えると、Chromeから文字主体のウェブサイトをタブキャストをする場合には、パソコン側のディスプレイ解像度を1280×720ドットに設定するのがよさそうです。(画像主体のウェブサイトであれば潰れて見えなくなることはないので、そのままでも大丈夫だと思います。)




解像度の変更はChromeの拡大率変更が簡単 

・・・と結論付けようと思っていましたが、ふと思い立ち、1920×1080のままChromeを200%表示にしてみたところ・・・




なんだ。これが一番きれいじゃないですか!(笑)。変更も簡単だし、文字主体のウェブサイトをタブキャストをする場合は、ディスプレイの解像度はいじらず、Chromeの拡大率を変えるのが簡単ですね。




タブキャストには表示の遅延あり 

それから、先程「リアルタイムで圧縮」と書きましたが、「パソコン側でエンコード(圧縮)」→「Wi-Fiで送信」→「Chromecastがデコード」という過程を経るため、パソコンとテレビの画面には約1秒ほどの遅延が発生してしまいます。さらに、決して悪くはない我が家のWi-Fi環境でも、時折コマ落ちが発生しました。それどころか、使っているパソコンによっては圧縮のための処理能力が足りず、タブキャストそのものが出来ない可能性もあります。(最小システム要件はこちら

このような問題を考えると、Chromeブラウザのタブキャストを使ってテレビでウェブサイトを見ることは、あまり現実的だとは思えません。そもそも手元にパソコンがあるのにテレビに映すケースなど、ほぼ無いに等しいでしょう。Google自身もこの機能の実用性に疑問を持っているからこそ、キャストアイコンを開いた時に、赤く「BETA」と表示されているのだと思います。



Cast向けに最適化されたウェブサイトとは 

一方、動画系のウェブサイトに関しては、リビングのテレビで家族揃って見たいという要望は少かならずあるはずです。だけど、さして高い解像度でもない上、コマ落ちまで発生するタブキャスト機能で動画を見るのは、苦痛以外のなにものでもありません。さて困りました。どうしましょう?



実は、パソコンからChromecastを使う場合、「Cast向けに最適化されたウェブサイト」というものがあるのです。最適化されたサイトの代表選手は「YouTube」や「Google Play ムービー」。これらのサイトを「Google Cast拡張機能」が有効になったChromeで開くと、画面右上のタブキャスト用のキャストアイコンのほかに、サイト内にもキャストアイコンが現れます。(対応アプリ・コンテンツはこちら



例としてYouTubeにアクセスしてみると、動画ウィンドウの右下にもキャストアイコンがあるのが分かります。これが「Cast向けに最適化されたウェブサイト」の証。ここをクリックすると、Chromeの画面をリアルタイム圧縮して送るタブキャストではなく、Chromecast自身がサイトに接続して、最大1080pのフルHD動画を楽しめるようになるのです。この状態ではパソコンの電源を切っていても問題ありません。


・・・って、あれ? どこかで聞いたような説明ではありませんか?



そう。これはiPhoneからYouTubeアプリでキャストする場合と全く同じ。ChromecastのコントーラーがiPhoneからパソコンに変わっただけです!



つまり、Chromecastとは「スマホやパソコンの画面をテレビに映し出すデバイス」というよりは、「スマホやパソコンをコントローラーとして使いながら、対応したネットサービスに接続するためデバイス」と捉えた方が正しいのです。「Cast 向けに最適化されたウェブサイト」以外をどうしてもテレビで見たいときに限り、BETA版のおまけ機能として、低画質で遅延やコマ落ちがあってパソコンに圧縮処理の負荷がかかるChromeからのタブキャストも使うことが出来る、と考えるべきなのです。
(追記:Androidアプリからの画面ミラーリングは、アップデートで対応予定です。)





まとめ 

というわけで、Chromecastが本来の魅力を発揮するためには、どれだけ多くのウェブサイトやスマホアプリがGoogleCastに対応するかが重要です。テレビでYouTubeを見る環境がない人にとっては、YouTube専用デバイスとして買っても損はないと思いますが、多くのサービスが対応すればするほど、わずか4,200円(税別)で買えるネットコンテンツ視聴デバイスとしての価値が出てくるのでしょうね。

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