【WALKMAN NW-A100シリーズ】購入の理由と、使ってみた感想
WALKMAN NW-A100シリーズの購入を決めた理由
僕の最近の音楽との付き合い方の中心にあるのは、ストリーミングサービスのSpotifyです。My Discover Weekly や My Release Radar で毎週届く曲の中から、気に入ったものをプレイリストに追加してダウンロード保存。有料会員のメリットを活かして、通勤時の電車内で楽しんでいます。当初はiPhoneに有線のイヤフォン（RHA MA750）を繋いで、その素直な音を堪能していたのですが、悲しいことに電車の混雑が年々悪化。イヤフォンのコードが他の人の荷物に絡まったりと、有線イヤフォンを使うのはもはや無理という状態になってきました。
しかし、そこで不満が発生。iPhoneにBluetoothで接続したイヤフォンの音質が、全く好みに合わなかったのです。具体的に言えば、高音が耳に刺さり、中音域は豊かさがいまひとつ。さらに、低音はこもった感じで、同じドライバとハウジングを使っているはずの有線版とは大違いです。
そこで考えた原因が、iPhoneが対応しているBluetoothのコーデックが、AACまでに限られていること。RHA MA750 Wireless自体はAACよりも高音質と謳われるコーデックのaptXにも対応しているのに、発売されたばかりのiPhone 11でさえ、aptXには対応していないのです。となれば、もはやiPhoneとBluetoothイヤフォンの組み合わせで気持ちよく聴くのは無理です。WALKMANであればエントリーモデルだってもっといい音で聴けるのに、Spotifyを聴けるWALKMANが出たらいいのに、いっそaptXで接続できる安いAndroidスマホをSpotify専用に買ってしまおうか、などと考えていました。
そんなときに登場したのが、Androidを搭載したストリーミングWALKMANです。これはもう買うしかありません。買わない選択はありません。予約開始と同時に即ポチりました。
※NW-A100シリーズ購入を決意した顛末は、こちらの記事もご参照ください↓
RHA MA750 Wireless 購入レビュー。有線版との音の違いを聴き比べてみた。Bluetoothイヤフォンの音を、iPhoneと比較してみた
まずは、購入動機である、iPhoneとのSpotifyの音質の違いを確かめてみました。RHA MA750 WirelessをWALKMAN NW-A100と接続し、いつも聴いている曲を再生します。
おお！ いい感じです！
期待通り、iPhoneよりも、クリアで明瞭な音が聴こえてきます。中音域だけはiPhoneの方が温かみのある音にも感じられますが、耳に刺さる高音も、くぐもった印象の低音も、WALKMAN NW-A100では明らかに改善されています。
というか、iPhoneとWALKMAN NW-A100シリーズでは、音の傾向が全く違うように聴こえます。iPhoneはどちらかと言えば、聴き疲れのしない、ヴォーカルの声を重視した音。WALKMAN NW-A100はクッキリとして元気な音。好みの問題はあるでしょうが、僕が求めていたのは、WALKMAN NW-A100の音です。これならば、それほどの不満はなく、Spotifyのストリーミング音源を楽しめそうです。
とはいえ、これがAACとaptXの差なのか、それともiPhoneとWALKMANの音の差なのかは、はっきりしません。そりゃそうです。ここまで音の傾向が違うと、もはや僕のレベルでは、その原因がどちらなのかの判別はつきませんw
ということで、AACとaptXとの違いに期待して購入したことが正解だったのかどうかは曖昧なものの、iPhoneよりも気持ちのいい音でSpotifyのストリーミング音源を聴くという環境は、無事手に入りました。
ただ、購入を考えている人への注意点として、Bluetooth接続時のWALKMAN NW-A100は、ボリュームの微調整ができないという問題があります。これはExtraVolumeSimple（音量微調整）」というアプリをインストールすることで対処できますが、そうなると今度はイコライザが使えないという別の問題が発生します。また、Bluetooth接続時には「DSEE HX」や「ClearAudio+」といった、WALKMAN独自の高音質化機能が一切使えない点も、知っておいた方がよいでしょう。
※ボリュームの微調整についての問題は、こちらの記事をご覧ください↓
【WALKMAN NW-A100シリーズ】Bluetoothイヤフォン使用時の音量を、細かく調整する方法有線イヤフォンの音質は？
次に、WALKMAN NW-A100に有線イヤフォンのRHA MA750を接続してSpotifyを聴いてみます。
あ。
なにこれ。
なに、この音の気持ち良さ。
なんということでしょう。iPhoneよりも気持ちいいと感じたBluetooth接続でのWALKMAN NW-A100の音が、完全に霞んで見えてしまうほど、くもりも濁りもない快活な音が聴こえてくるではないですか。正直言って、無線と有線でここまで音が違うとは思ってもみませんでした。
いやいや、無線の方は言ってもaptXでの接続です。世の中にはaptXを超える、aptX HDやLDACといったハイレゾクラスのコーデックも存在しています。僕の使っているRHA MA750 Wirelessが対応していないために今は検証できませんが、それらであれば有線接続の音質にもっと迫れるかもしれません。でも、少なくともaptXでのBluetooth接続と有線接続では、その音の差は圧倒的。満員電車の混雑のために有線イヤフォンを諦めた僕でさえ、やっぱり有線に戻ろうかという誘惑に駆られてしまいます。
しかも、有線接続の場合は、Bluetooth接続では使えなかった「DSEE HX」や「ClearAudio+」等の、WALKMANの高音質化機能も使えます。さらに自分好みの音に近付けることが可能なのです。「DSEE HX」をオンにすると、確かに音の広がりが感じられます。「ClearAudio+」はちょっとやり過ぎな気もしますが、元気な音が好きな人ならツボにはまるでしょう。Spotifyのストリーミング音源をこの音で聴けることこそ、iPhoneやAndroidスマホではなく、WALKMANを所有する醍醐味でしょう。
ただ、購入を考えている人には、こちらにも注意点があります。それは、高音質化機能を使った時の、バッテリーの減りの速さ。仕方のない面はあるとはいえ、音質とのトレードオフ関係は購入前に知っておいた方がいいと思います。
※バッテリー消費についての検証は、こちらの記事をご覧ください↓
【WALKMAN NW-A100シリーズ】通勤使用時のバッテリー消費を確かめてみたその他の使い勝手は？
音質以外の使い勝手も簡単に書いておきます。
スマホとは全然違うコンパクトなボディは、胸ポケットに入れると若干厚みを感じますが、手にすっぽりと収まる感じが可愛らしいです。ポケットにしまい込むよりも、ずっと手に持っていたい気さえします。ボリュームや再生ボタンが独立した物理ボタンになっているのも、ブラインド操作がしやすくて嬉しい点です。
実はiPhone 3GSとほぼ同じサイズというディスプレイは、今では狭さは否めないものの、解像度は充分にあり、タッチの反応もまずまずです。Androidとしてガシガシ使うのはディスプレイサイズ以外の点からも厳しい面はありますが、音楽プレーヤーとしては大きな問題はありません。
3種類用意された本体容量は最大でも64GBに留まります。しかし、SDカードが使えるので問題はありません。Spotifyのダウンロードデータも、ちゃんとSDカードに保存して再生できます。
また、表裏のないUSB Type-Cで充電できるのは、やっぱり便利。他の機器との共用ができるのも、汎用端子の利点です。
Spotifyの再生機としては基本的にスマホと同じように使えますが、ネットに繋げない環境では歌詞や楽曲クレジットが見られません。これは思わぬ盲点でした。WALKMANというよりはSpotify側の問題なので、それらも含めてダウンロード保存できるようにしてくれると嬉しいですね。それと、アルバムやアーティスト名を辿って、知らない曲を渡り歩くというSpotifyならではの楽しみ方も、ネットに繋げない環境ではできません。考えれば当たり前の話なのですが、スマホと比べると劣ってしまう点です。
そして、一番大きな問題点は、間違いなくバッテリーの持続時間でしょう。この小さなボディに収まるバッテリーでAndroidを動かすのだから無理もない話とはいえ、実用面を考えると、使用可能時間が心許ないのは隠しようのない事実です。WALKMAN NW-A100シリーズをスマホだと考えれば納得できても、音楽プレーヤーと考えれば、不満が出るのは仕方ありません。Androidを上手いこと制御するアップデートで、少しでも改善できたら嬉しいですね。
※WALKMAN NW-A100シリーズをおすすめする人、しない人を考えてみました↓
【WALKMAN NW-A100シリーズ】購入をおすすめする人、しない人
（おしまい）
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