【WALKMAN NW-A100シリーズ】通勤使用時のバッテリー消費を確かめてみた


Androidベースになったために、バッテリーの消費が激しすぎると言われている、ストリーミングWALKMAN NW-A100シリーズ。購入直後は設定をいろいろと弄りながら使ったりでバッテリーの減りが早くなりがちですが、ほぼ音楽プレーヤーとしてのみの使用に落ち着いてきたので、現実的な運用でのバッテリー消費状況を確かめてみました。

WALKMANの設定はこんな感じ

WALKMAN NW-A100に自分でインストールしたアプリは、Spotifyとボリューム微調整用のExtraVolumeSimpleだけ。Spotifyの音質は、最高音質の320kbit/秒に設定。WALKMAN本体のHOLDスイッチはオフ。Bluetooth、Wi-Fiはオン。ディスプレイの明るさのレベルは24%。設定→アカウントの「自動的にデータの同期」はオフ。バッテリーセーバーはオンにしていますが、15%で発動なので、これはあまり関係なさそうです。全体的に、比較的ズボラで無理のない設定だと思います。




Bluetooth接続のイヤフォンで出勤

それでは会社に向かって出発しましょう。愛用のイヤフォン(RHA MA750 Wireless)をBluetoothで接続し、Spotifyを起動。SDカードにダウンロード保存した曲をシャッフル再生します。再生中はたまにボリュームの操作をするくらいで、基本的には単純に曲を流しっぱなしの状態です。Bluetoothイヤフォン使用時はWALKMANの「音質設定」アプリは使えなくなるので、それらの処理でのバッテリー負荷はありません。Spotifyの他には、音量の微調整用にExtraVolumeSimpleを起動しています。



 8時18分に、バッテリー残量100%で家を出て、、、



9時18分に再生を止めました。この1時間で、バッテリーは100%から92%に減りました。1時間で8%です。翌日も同じ条件で使ってみたところ、1時間で9%の消費となりました。だいたい1時間あたり10%です。思ったよりは悪くない印象です。




仕事中はスリープ状態で放置

仕事中は電源をオフにするのがベストでしょうが、オフにするのを忘れたという想定で、電源は切らずに、スリープ状態にしました。本体のHOLDスイッチもオフのままです。



約11時間半働いた20時45分に確認すると、バッテリー残量は81%。1時間あたり約1%の消費です。翌日は電源をオフにしてみたところ、12.2時間で3%の減でした。4時間で1%ずつ減った計算ですので、スリープ状態と比べて四分の一の消費です。やはり使っていない間は電源を切って節約するのがよさそうですね。



帰宅時は有線イヤフォンで接続し、WALKMANの「音質設定」アプリを使用

今度は帰宅です。帰りは有線イヤフォンのRHA MA750を繋ぎ、朝と同じく、SDカードにダウンロード保存した曲をSpotifyでシャッフル再生します。



今度はWALKMANの「音質設定」アプリを使用し、イコライザと、圧縮音源やCD品質の音源をハイレゾ相当までアップスケーリングする「DSEE HX」をオンにしました。朝はBluetoothによる負荷、夜は「音質設定」アプリによる負荷をバッテリーにかけた状態です。また、ほとんど画面を点けなかった朝と違い、曲名の確認や選曲などで、度々ディスプレイ操作をしています。



さて、72分後の21時57に帰宅した時のバッテリー残量は62%となりました。1時間あたり、約16%の消費です。朝と比べて、ほぼ倍のスピードでバッテリーが減っています。



リアルタイムでアップスケーリングする、「DSEE HX」のバッテリー消費が激しい

この結果を見ると、どうやら、Bluetooth接続によるバッテリー消費よりも、イコライザや「DSEE HX」といった「音質設定」アプリのバッテリー消費の方が激しいようです。特に、AIでリアルタイムにアップスケーリングするという「DSEE HX」が、電力を大量消費している可能性があります。

そこで、翌日の帰宅時にはイコライザのみを使い、「DSEE HX」はオフにした状態で、有線イヤフォンを使ってみました。



21時半に会社を出たときのバッテリー残量は88%です。仕事中は電源をオフにしていたので、残量は多めです。



帰宅した1時間20分後の22時50分まで、Spotifyでダウンロード音源のシャッフル再生をし続けた結果、バッテリー残量は74%になりました。1時間あたり10.5%の消費です。イコライザは使っていたせいか、Bluetooth接続時よりはやや消費が多かったものの、「DSEE HX」をオンにしていた昨日と比べると、バッテリーの減りはかなり改善しています。


となると、予想した通り、一番のバッテリーイーターは「DSEE HX」のようです。リアルタイムで曲の解析と補正を行うのですから、当然といえば当然かもしれません。確かに、「ストリーミングWALKMAN」を謳うのであれば、ストリーミング再生している曲をリアルタイムでアップスケーリングできなければ意味がありません。しかし、本体やSDカードに保存済みの曲は、バックグラウンドで事前に解析しておいてくれた方が、バッテリー的には優しいかもしれませんね。



バッテリー消費状況のまとめ

たった2日間での検証ですが、Bluetooth接続のイヤフォンでSpotifyのオフライン再生をすると、1時間あたりで約8〜10%のバッテリー消費となりました。

電源オンでスリープのまま放置すると、1時間あたり約1%。電源をオフにすれば、4時間で1%の消費です。

そして、有線接続したイヤフォンで、WALKMANの「音質設定」アプリを使用しながらSpotifyのオフライン再生をすると、1時間あたり約16%、「音質設定」アプリを使用しなければ1時間あたり約10%の消費となります。


ということで、バッテリー消費を抑えたいなら、WALKMANの「音質設定」アプリはオフがおすすめです。とはいえ、せっかくのWALKMAN、せっかくの有線接続で「音質設定」をオフにするのは、もったいない気がしますよね。であれば、1時間あたり約20%のバッテリー消費は覚悟して、スマホでは味わえない高音質を楽しむ方が健全だと思います。


一方、Bluetooth接続であれば、否応なしにWALKMANの「音質設定」アプリが無効になるので、1時間あたり約10%のバッテリー消費となります。が、こちらもせっかくのWALKMANが、という気にはなります。

Bluetoothの対応コーデックがAACまでに限られるiPhoneユーザーであれば、aptX以上のコーデックで接続できるだけでも音質向上の価値がありますが、aptX以上のコーデックに対応したAndroidユーザーがBluetoothイヤフォンでの使用を考えているならば、音質向上を期待してNW-A100を買う意味は少ないかもしれませんね。

(おしまい)

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