【WALKMAN NW-A100シリーズ】購入をおすすめする人、しない人
ストリーミングサービスを使わない人
そもそも論として、購入したダウンロード音源や、自分のCDからリッピングした音源だけしか聴かない人は、WALKMAN NW-A100シリーズを買う必要はありません。Androidベースではない、普通のWALKMANの方がおすすめです。その方がコスパ的にもバッテリー的にも満足感が高いでしょう。有線イヤフォンで、WALKMANの高音質化機能をガンガン効かせたストリーミング音源を聴きたい人
「DESS HX」 によるアップスケーリングやノイズキャンセルなど、WALKMAN NW-A100シリーズならではの高音質化機能をガンガン使って、ストリーミングサービスの音源をお気に入りの有線イヤフォンやヘッドフォン(※以下、記事中はヘッドフォンとのみ記載します)で聴きたい。そんな人には、迷いなくおすすめです。これこそが、スマホではなくWALKMAN NW-A100シリーズを使う醍醐味です。ただし、色々な機能を使えば使うほど、バッテリーの消費は激しくなります。最低でも1時間あたり20%くらいの消費は覚悟しておきましょう。ストリーミングサービスを利用しているiPhoneユーザー
個人的な感想ですが、音楽プレーヤーとしてのiPhoneの音質は、決して優秀なものではありません。iPhoneで聴くストリーミングサービスの音に満足できず、上記のように、WALKMAN NW-A100シリーズの高音質化機能を有線接続イヤフォンで使いたい人には、迷いなくおすすめです。ただし、バッテリーの消耗だけは覚悟してください。では、Bluetoothイヤフォンでの使用を考えている場合はどうでしょうか。この場合も、僕はiPhoneの他に音楽プレーヤーとしてWALKMAN NW-A100シリーズを購入する意味はあると思います。
その理由は、iPhoneが対応しているBluetoothのコーデック(データを圧縮して無線で飛ばすための規格)にあります。Bluetoothとイヤフォンの接続には何種類かのコーデックがありますが、最新のiPhone 11シリーズでさえ、「SBC」と「AAC」というコーデックにしか対応していません。
「SBC」は一番古い規格で、標準的な音質とされています。「AAC」は「SBC」よりも新しい規格で、より高音質なコーデックです。2019年現在、iPhoneやiPadのApple製品は、この「AAC」での接続を基本としています。
しかし世の中には、「AAC」よりもさらに高音質とされる、「aptX」「aptX HD」「LDAC」といったコーデックが存在しています。WALKMAN NW-A100シリーズは、もちろん、これらの高音質コーデックにも対応しています。つまり、使用するBluetoothイヤフォンも「aptX」や「aptX HD」「LDAC」に対応している場合、WALKMAN NW-A100シリーズを使うことでの音質の向上が期待できるのです。
ストリーミングサービスをiPhoneのBluetoothイヤフォンで聴く音に満足しているならば、そのままでも問題はありません。しかし、「AAC」まででしか接続できないiPhoneの音に不満があるならば、より高音質なコーデックで接続するために、WALKMAN NW-A100シリーズを手に入れる価値は充分にあります。iPhoneとは違う、WALKMANらしい明瞭感のある音作りを感じられるのも嬉しい点です。ちなみに、僕自身が、まさにこの理由でWALKMAN NW-A100シリーズを買ったiPhoneユーザーです。
ただし、別記事で書いたように、現状ではWALKMAN NW-A100シリーズをBluetooth接続したイヤフォンで使う場合、細かい音量調整とイコライザのいずれかを諦める必要がある点は、注意が必要です。また、WALKMAN NW-A100シリーズが誇る、「DSEE HX」や「ClearAudio+」といった「音質設定」アプリも、Bluetooth接続時には一切使えないのも残念です。このあたりは、今後の改善に期待したいところです。
また、別の観点で、iPhoneはSDカードを挿せないため、ストリーミングサービスのダウンロード保存がストレージを圧迫して困っている場合も、WALKMAN NW-A100シリーズを持つ意味があるでしょう。
ストリーミングサービスを利用しているAndroidユーザー
有線イヤフォンをAndroidスマホに繋いで、ストリーミング音源を聴いている人は、上に書いた通りWALKMAN NW-A100シリーズの高音質化機能を使いたいかどうかでの判断となります。一方、AndroidスマホとBluetooth接続する無線イヤフォンでストリーミング音源を聴いている人の場合は、WALKMAN NW-A100シリーズを買い足す必要性は薄いです。何故ならば、AACまででしかBluetooth接続できないiPhoneと違い、最近のAndroidスマホであれば、aptX以上のコーデックを使えるケースが多いからです。しかも、Bluetoothでの無線接続の場合は、WALKMAN NW-A100シリーズの高音質化機能が一切使えません。Androidスマホ以上の音質を期待して買っても、思ったほどの変化はない可能性が高いのです。
もちろん、SBCやAACにしか対応していないAndroidスマホを使用しているなら、iPhoneと同じ理由でWALKMAN NW-A100シリーズを買う価値はあります。高音質化機能は使えずとも、WALKMANの音作りに期待して買うのもありだと思います。また、スマホのバッテリー消費を少しでも抑えたい、外部メモリを使えないスマホのストレージを節約したい、といった理由で、スマホと音楽プレーヤーを分けたい場合も、購入する意味はあるでしょう。
それでも、Bluetooth接続のイヤフォン使用を前提に考えると、aptX以上のコーデックに対応したAndroidスマホユーザーがWALKMAN NW-A100シリーズを買い足す必要性は、相対的に低いのではないかと思います。
超小さなAndroid端末として使いたい人
WALKMAN NW-A100シリーズの一番の特徴は、OSにAndroidを採用していること。そう、サイズこそ小さいものの、立派なAndroid端末です。とはいえ、SIMは挿せないため、スマホのように通話はできないし、接続可能なWi-Fiがない環境ではデータ通信もできません。イメージ的には小さなスマホというよりも、超小さなタブレットです。しかしです、超小さいとはいえ、実はそのディスプレイサイズはiPhone 3GSとほぼ同じ。WALKMAN NW-A100シリーズのディスプレイは、3.6インチで1280×720ピクセル、対してiPhone 3GSは3.565インチで480×320ピクセル。にわかには信じがたいですが、むしろiPhone 3GSよりもわずかに大きいほどで、解像度に関しては倍以上になっています。
となれば、音楽プレーヤーではなく、何かしらのマニアックな使い方ができる超小型Android端末として、隠れた人気になる可能性がありますね。
WALKMAN NW-A100シリーズは、こんな人におすすめ
ということで、ざっくりまとめると、WALKMAN NW-A100シリーズの購入をおすすめしたいのは、この3タイプです。まずは、バッテリーの激しい消耗など物ともせず、WALKMAN NW-A100シリーズの高音質化機能を最大限に活用して、有線イヤフォンでストリーミング音源を楽しみたい人です。これこそ、WALKMANユーザーの鑑です。
次は、iPhoneで聴くストリーミングサービスの音質に不満があり、少しでもいい音を求めている、Bluetoothイヤフォン派の人。WALKMAN NW-A100シリーズの高音質化機能は使えずとも、Bluetoothのコーデックの関係で、iPhoneよりはいい音が楽しめるはずです。ボリュームの微調整とイコライザの併用ができない点は、今後の改良に夢を持ちましょう。
最後は、WALKMANとしてではなく、超小型Android端末として楽しみたい人。何に使えるのかすぐには思いつきませんが、何かしらマニアックな活用法があるはずです。
もちろん、それ以外の人でも、単純に面白そうだという理由で買ってみるのはありでしょうね。
(おしまい)
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